桃太郎の反抗期【第三話】 『改(カイ)』

物語

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夜明けと朝焼けの混合する空を見ながら

おじいさんは船に乗っていました。

今日は「ある一族」にお願いをするために船で遠くの島へ。

その島の名前は「鬼ヶ島」

島に上陸して鬼を探しました。

身体はもうクタクタでしたが鞭を打ってやっと住処にしている洞窟に着きました。

奥の方で声が聞こえて来ました。

「どーも」

鬼たちはおじいさんに気づき、不敵な笑みを浮かべました。


一方その頃、桃太郎はいつもの溜まり場でふてくされていました。

「桃さん〜いつまでそうしてるんですか」

しっかり者の犬が言う。

「うるせえ」

「桃さん!どこか気晴らしに走りに行きましょうよ!」

暇そうにしている雉は言う。

「気分じゃねえ」

「おいらとじゃあどこかの校舎の窓ガラス割りに行きやしょう!」

呑気な猿は天井近くの棒にぶら下がりながら言う。

「尾崎じゃねえ」

「誰すかそれ」

「知らなくていい」

ガタンッ

倉庫の重たい扉を開ける音がしました。


鬼たちはおじいさんにお酒を注ぎ、一緒に晩酌をしていました。

「いやー久しぶりですね〜お元気でしたか」

顔を真っ赤にした赤鬼がおじいさんに尋ねる。

「この通り、もう歳じゃ。あの頃のように動かんわ。」

「またまた〜そんなこと言って〜。

そういえばこんなところまで何か御用でしたか。」

「少し息子のことで相談があってな、協力してくれんか?」

「あなたとあらば何でも聞きましょう、作戦名ありますか?」

「うーんじゃあ作戦名は桃退治


重たい扉の先にはつい先日大将戦で引き分けに終わった

金太郎軍団がいた。

油断しているところを急襲しにきたのだ。

総勢50の金太郎とその仲間。

「おいおい油断してんじゃねえよ、

お前らこの間の借りを返してやれ!!!」

ウォォォと地鳴りと共に襲いかかってきた。

桃太郎は応戦しようとした時、

ドシーーーーン、ドシーーーン

と大きな足音が倉庫内に響いた。

金太郎軍団も足が止まり、動揺していました。

ボロボロの倉庫の屋根に大きな影が映りました。

すると金太郎軍団の一人が叫びました。

「お、お、おに、鬼だぁぁぁぁ」

金太郎軍団は金太郎一人を残して一斉にその影とは逆方向に走って逃げて行きました。

その影はゆっくり扉の方へ動いて行き

倉庫に入ってきました。

金太郎は相撲を取る構えをしましたが、張り手一発で飛ばされ

気絶してしまいました。

桃太郎は膝が笑っていましたが、立ち向かって行きました。

その戦いはすぐに決着がつきました。鬼が圧倒的強さで桃太郎を

打ち負かし、桃太郎は降伏しました。

「参りました」

そこで鬼が言いました。

「なぜ負けたかわかるか?」

「わからねえ」

「愛に気づいていないからだ、もっと周りを見ろ。

誰にご飯を作ってもらっている。誰に生活をさせてもらっている。

それが分かってないんじゃいつまでも本当の強さは

わからないままだ。」

桃太郎は悔し涙をこらえていましたが、鬼の言葉で崩れてしまいました。


翌朝、桃太郎は猿と犬と雉を連れ鬼ヶ島で修行をすることを決め、

おじいさんとおばあさんに別れを告げました。

「今まで育ててくれてありがとう、息子じゃねえとか言ってごめん」

二人は涙し、その少し成長した息子の背中を見送りました。


鬼がひっそり寄ってきておじいさんに言いました。

「あの話は桃太郎には内緒ですよね?」

「あぁそれで頼む。あとは息子を頼んだぞ」

「了解しました。じゃまた。」


時は少し遡り。。

おじいさんと鬼が桃退治に向かっている船での会話。。

「なんでご自身で成敗されないのですか、あなたなら出来るでしょう?悪さをしていた私たちを成敗し、荒れていた鬼ヶ島を統一されたあなたなら。」

「わしが叱っても一方通行なんだ、だから第三者からの叱りが一番成長ができる。おぬしも見覚えがあるだろ」

「さすが元祖桃太郎さん、恐れ入りました。」

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