桃太郎の反抗期【第一話】 『歪(イビツ)』

物語

昔々、いやそれほど昔でもねえ、

おいらの親分の「桃太郎」てのがいた。

それはそれは格好いい親分で、喧嘩で負けた姿はみたことがないぐらい腕っ節は強いんだ。

森の大将「金太郎」や海の狩人「浦島太郎」なんかもその腕で戦って同志になったぐらいだ。

そして、町の女子なんかも皆んな虜にしちまって、

毎日取っ替え引っ替え。うらやましいぜ。。。

それは皆んな憧れるよな〜。

ただまぁ皆んなが知らねえある一戦を除いてだな…。

おおっとすまん!桃さんに呼ばれちまった

じゃあおいらの親分「桃太郎」の話見てってくれよ!

はじまりはじまり〜!


昔々、おじいさんとおばあさんが森の奥で住んでいました。

二人には子供がおらず、何十年も二人きりで静かに暮らしていました。

いつものようにおじいさんは山に芝刈りに

おばあさんは川に洗濯に出かけました。

「よいしょ、よいしょ」

おじいさんはせっせと芝刈りを

「ゴシゴシ、ジャブジャブ」

おばあさんは力を込め、洗濯板でおじいさんの

ヨレヨレの服を洗います。

すると遠くからなにか桃色したものが川上から流れてきます。

「なんだ、あれ?目が悪くて見えにくいのぉ」

段々桃色したものは川の流れに、岩に揉まれながら

おばあさんの方へ寄ってきます。

「どんぶらこ。どんぶらこ。」

それは大きな桃でした。

おばあさんは必死にその桃を捕まえました。

ただ、桃は上流の激しい流れに乗り大きな岩に当たりすぎたのか、

歪な形をしていました。

おばあさんは近くの山で芝刈りをしているおじいさんに助けを求めました。

「おじいさーん!大きな桃が手に入ったから、食後のデザートにしよう、運ぶから手伝ってー!」

おばあさんの声はやまびこになっておじいさんの耳に届きました。

「了解」

二人は重たい歪な桃を引きずりながら汗をダラダラ垂らしながら家まで運びました。

「懐かしいのぉそれにしても歪じゃな、まぁいい。食べれば一緒か。」

クタクタの身体で桃を割って見るとそこには

小さな可愛い男の子の赤ん坊が静かに寝ていました。

「なんじゃ、この子は。神様が子がいないわしらに

授けてくださったのか。これは涙が出るほど嬉しい、

よし、わしらで立派に育てよう。」

おじいさんとおばあさんは泣いて喜び、

立派に育てることを神様に誓いました。

〜15年後〜

「バリバリバリ!ブォーーーン!!!」

「ウゥーーーーーー!そこのバイク止まりなさい!!」

夜の喧騒とした街に明らかに改造されただろうマフラーから排気ガスを撒き散らし、パトランプと鬼ごっこしている輩がいた。

それは集団で走っていて、道路に横に広がり軽快なクラクションを鳴らしながら道を塞ぐ。

やがて一台一台減って行き、知らぬ間に姿を眩ます。

完全に警察の手には追えず、輩たちは自分の街と言わんばかりの

我が物顔で街を歩く。

昔、漁港だったが人口の減少により寂れた大きな倉庫がある。

そこが輩たちがいつも溜まっている場所である。

その一角で会議が行われていた。

「親分、次どこのシマぶっ潰します?」


続く…

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